電子顕微鏡で見た新型コロナウイルス. © Shutterstock/Midnight Movement
野生動物は世界の多くの地域社会の食糧確保と生計に貢献しています。しかし、その動物の生息数が減少しないように配慮するのと同じように、人間の健康に対して安全な方法で肉を食べる事が重要です。エボラ出血熱と同様に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は他の動物から人間にもたらされたウイルスによって引き起こされます。 COVID-19はおそらくコウモリに由来し、人間より先に他の野生動物に感染していた可能性があります。ウイルスや細菌は私たちが進化する過程で他の生物種からもたらされました。私たちの細胞の一部はもともと独立した細菌だったように、時にはその進化の過程で恩恵がありました。しかし、それらに適応するためには時間がかかり、危険も伴います。
命を救う取り組みは世界各国の医療サービスや経済活動のストレスとなっています。それは環境保全活動にも影響がありました。影響の1つは、持続的ではない場合も含まれるより多くの資源の利用により維持されている人々の暮らしへの広範囲に及ぶダメージです。しかし、人々が自宅で仕事をすることが多くなり、遠距離移動のための化石燃料の使用量が減った事は、気候変動抑制には良い効果がありました。
受け入れる事で解決
サルを見るのはいいけど、食べるのは危険。© Shutterstock/Julian Popov
将来のためにすぐに実行できる手段がいくつかあります。環境や我々自身に害を及ぼさないように、慎重に考える必要があります。たとえば、一部の人々は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は人間が他の動物を食べる事や、接する事さえやめる理由になると言います。しかし、人間は数千年にわたって野生および家畜由来のウイルスや細菌に適応してきました。私たちの体には多くの微生物が定着しており、その多くが私たちにとって有用です。私たちは土壌中の虫から家にやってくる鳥や動物まで、何をするにしても動物と関わりを持っています。その環境下で野生由来の食べ物の安全性と持続性の管理が必要です。
配慮する事項としては、私たちは近縁種に特に注意する必要があります。流行する感染症は魚類や爬虫類のような冷血動物由来ではなく、霊長類(サル)やコウモリ由来の方が危険性が高いとされています。霊長類やコウモリを食べない事やコウモリの排泄物に触れるのを極力避ける事は懸命な対応です。そして野生動物を生きたまま市場に持ち込むのは非人道的な行為と言えるくらい馬鹿げています。しかし、すでに適応している、または病気のリスクが無い動物種に接する事を禁止すべきでしょうか? いいえ、これも馬鹿げています。特に持続的に利用する資源として他の動物種を適切に管理することは生態系の保全と人々がそれらの動物と共存する事を促進します。さらに、感染症による経済的な損失は環境を破壊する可能性のある開発行為の抑制に繋がると考える時です。我々の自然は、健全な生態系の産物を大切にする人々によるあらゆる支援を必要としています。
今すぐできる事
間隔を保ってマスクをつける © Shutterstock
コロナウイルスが動物から人間へ感染して広がった事例は少なくとも5回ありますが、典型的な症状はくしゃみや咳の症状を伴う軽度の疾患でした。例外は、コロナウイルスが Covid-19 のように人類にとって新型であり、病気から私たちを守る免疫力が無い場合です。多くの子供は、侵入してきた病原体に対して迅速に反応し、それらを排除する免疫機構を持っています。免疫力が弱まっている高齢者はより病気になります。予防接種により免疫力が増強される前は、感染した 60 歳以上の約5人に1人がCovid-19で亡くなりました。
自然淘汰により感染力は強いが病原性は弱いウイルス株が生成されます。最近検出されたCovid-19のウイルス株では以前のウイルス株を元にして作成されたワクチンが効かなくなる懸念がありましたが、予防接種を受けた人は受動免疫により症状が緩和されました。ウイルスは小さな飛沫と一緒に空気中に拡散し、屋外では急速に分散します。フィルターがウイルスを含む飛沫を除去するのでマスクを着用すると感染予防効果があります。そこで、各自が次のことを行う必要があります。
• 呼気に含まれるウイルスを含んだ飛沫を浴びないように、人との間隔を取ってください。
・室内や人ごみの中で多くの人に囲まれている時はマスクをつけてください。
・目、鼻、口からウイルスに感染しないように、手を洗って消毒してください。私たちが自然環境と密接に関わった時も常に手洗いは重要です。これにより、多くの微生物、寄生虫、自然環境中の毒物による被害を防ぐ事ができます。